2017年02月21日

今朝のThe China Post(中國郵報)紙1面より。

昨日のガソリン価格引き下げのニュースに続いて、今日は台湾スターバックス値上げのニュース。コーヒー豆や砂糖、牛乳価格の上昇に伴い、月曜日から値上げを敢行。日本でさえラテが410円=111台湾ドルなのに、現状120台湾ドルのラテを値上げするのは何ごとだ、との意見多数。こんなところにデフレジャパンが引き合いに出されるとは、我が国も国際的に見て、貧乏な国になったものだ。しかしスターバックスの記事に続き、1面のもう一つの記事が「マクドナルド、現地資本移管へ最終ステージ」とのことだが、こんな外食関係の記事ばかりが新聞トップを飾っていていいのだろうか、台湾。
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今朝のThe China Post(中國郵報)紙ローカル面より。

国営石油元売り最大手、台湾中油(CPC)は日曜日深夜0時より、石油の国際価格下落を背景として、ディーゼルとガソリンの価格を1リットルあたり0.1台湾ドル引き下げると発表。土曜日には民間の台塑石化(FPCC)も月曜日午前1時から、同じくディーゼルとガソリンの価格を1リットルあたり0.1台湾ドル引き下げると発表していた。台湾の石油元売り業者が0.1台湾ドルを越える引き下げを行うのは2週連続。日本を筆頭に東アジアのデフレ圧力はまだまだ強く、これがなんとなく景気の底を支えてはいる。しかしインフレへの転換が必要だと声高に叫びながら、このままではその転換点におけるクラッシュを回避するのがますます難しくなっていると感じてしまう。

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2017年01月29日

『君の名は』〜出遭わないことの困難〜

夢の記憶というものは、不思議だ。冷めた直後ははっきりとしているものの、すぐにその記憶は薄れ始め、夜、再び眠りにつくころにはすっかり忘れている。しかしその手触りだけは妙に鮮明に覚えている・・・。この夢の特性をフルに活用したのがアニメーション長編映画『君の名は』である。東京に暮らす男子高校生「立花瀧」と地方に住む女子高校生「宮水三葉」が夢の中で身体と心が入れ替わって・・・という設定で映画は始まる。お互いがその入れ替わりの記憶を長く維持できないという制約が、逆に物語を成立させる根幹となっている。

『君の名は』は典型的なボーイミーツガールの貌をしていながら、奇妙な映画である。というのも「瀧」と「三葉」はお互いをそう意識したのち、物理的にはエンディングまで出遭わないからだ。そのタネは「二人は空間的に離れているだけではなく、別の時間軸を生きている」というもの。この「時空のズレ」というギミックを監督の新海誠は14年前、初の劇場公開作品である『ほしのこえ』でも使用しているが、本作のそれは遥かに洗練された形で物語中、昇華させている。(だからこその大ヒットなのだが)

私たちの世界が交通手段、特に通信手段の驚異的な発達でもって、物理的な距離が縮まり、個別通話の秘匿性も高まってしまった結果、男女が出遭うという設定に、説得力を持たせることがますます困難となっている。その本作での解決手段が、「二人のいる時空をズラす」という離れ業なのだが、その分、ある種のリアリティが失われてしまっている点は否めない。いくら入れ替わったとはいえ、カレンダーくらい見るであろうし、だいいち3年4年もズレた世界はテレビを一瞥すれば気付いてしまうことであろう。しかし構造上、時空がズレたことを最初から明かしてしまえば、物語とそのギミックは成立しなくなってしまう。(この点はリアリティ溢れる街と地方の風景を前景に押し出すことで誤魔化している)

新海誠監督の前作『言の葉の庭』では、正面から大人の恋愛を描こうとしていた。登社拒否の女性教師と、サボって靴の絵を描いている男子高校生との淡い恋。たしかにヒットしなかった作品ではあるが、構造上、きちんとしたボーイミーツガールの形式を採っている。そのためダイナミックな構成のうねりが作れなかったという欠点もある。だからといって時空をズラして男女を出遭えなくしなければ恋愛を描けないのだとしたら、リアルな手触りのある人間関係を正面から描く努力を放棄していることになりはしまいか?もちろんこれを観た若いカップルが皆、「私たちはああじゃなくてよかったね」と安堵してくれるのだとしたら、こんな心配は杞憂なのかもしれないけど。
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2017年01月28日

『四月は君の嘘』〜死に囚われた物語〜

シンガポール航空の機内で、映画『四月は君の嘘』を2回観た。母の死がきっかけで弾けなくなってしまった天才ピアニスト「有馬公生」が、奔放なバイオリニスト「宮園かをり」と出逢い、止まっていた時間を取り戻していく。しかし「かをり」に残された時間は短かった・・・という和製物語にありがちな悲恋モノだが、美しい音楽描写の裏に通奏低音のように流れる、村上春樹よりもはるかに重篤な「死への囚われ」が極めて興味深かった。(映画を一度観た後で、漫画も全11冊を大人買いしたが、本稿ではとりあえず映画版に絞る)

映画は題名通り、桜舞い散る、うららかな春の日から始まる。しかし早いうちから「かをり」が大学病院前でバスの停止ボタンを押す描写が現れ、悲劇が暗示される。「公生」と「かをり」とがデートをする場面も、夕焼けの海岸や度胸橋(と飛び込み)そして夜の学校と、「生」よりも「死」を想起させる場所が多い。「公生」の幼馴染たちとの場面が、教室やグラウンドといった場所が中心であるのと対照的だ。極め付けは、2人が最も主人公らしく輝いていなければいけないステージ自体が、ラストに向けて「死」の彩りを帯びてくる点。「公生」と「かをり」との共演は劇中、2回しかないのだが、うち1回はなんと生霊との共演なのである。

この物語には、強い「想いのベクトル」が2つ流れている。ひとつは母親から「公生」への母の想い、もうひとつは「かをり」から「公生」への憧れの想いだ。通常の物語であったらその想いを伝える/伝わる過程が恋愛モノとしての骨子になるはずなのだが、この2つの想いは、発する側の生存中に伝わることはない。「届け」「届け」と主人公たちが呟くこの物語の中では、その想いが伝わった時=相手を失ったあとなのである。「想い」は劇中ではすなわち「想い出」となり、喪われているからこそ美しく輝く。「公生」が一人でピアノを弾く描写から、死後届けられた「かをり」の手紙に至るまで、本作のクライマックスは全て「想いの一方通行」である。

本作のスタート時に公生の母親が存命であり、「かをり」が最後まで生きていたとしたら、この物語は成立していただろうか?残念ながらそうではないだろう。親子愛を、男女愛を描くに使われる「越えるべき障壁」が、ここまで強く死に囚われている物語もそう多くはない。現代においては『君の名は』のように時空を歪ませたり、本作のように想いを発した人間を消し去らなければ、恋愛描写が成立しないだろうか?もちろん携帯をはじめとした、通信機器の発達がその垣根を低くしている点は否めない。とはいえこの困難さは、この日本という国がとてつもなく平和であり、と同時に成熟した大人の恋愛がとてつもなく描きにくい社会であることを現わしているのではないだろうか?ラスト、再び巡ってきた春の季節に、かをりの想い出は美しく甦るが、残された若者たちの未来が想像できない、そんな映画である。
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2016年12月26日

あれから10年、そして20年、歴史は繰り返されるのか?〜2017年初にあたって

僕がシンガポールにやってきた2010年、リーマンショックの反動で、この南国の島は好景気に沸いていた。GDP成長率も消費者信頼感も見たことのない水準に達していたし、極めつけは三本の脚に箱舟の形を模した天板を掲げた、マリーナベイサンズの竣工だ。2011年にはその天空のプールで、SMAPがこの世の春と踊っていた。そのCFを見て、日本の人たちは、抜き差しならないアジア新興国の台頭を見せつけられたはずだ。
2009年頃から5年ほど続いた新興国バブルは、云ってみれば棚ボタのようなものだ。リーマンショックの傷を癒すため、米国をはじめとした先進各国は、超低金利で未曽有の流動性を金融システムに流し込まざるを得なかった。一方、サブプライムの毒に染まっていなかった新興国は、相場の混乱が収まると早々にキャッチアップを開始、その安い外貨流動性というガソリンで経済成長というエンジンを吹かした。これが新興国の成長力が、先進国を大きく凌駕した仕組みだ。しかし、そんなうまい話が永遠に続くはずはない。
この永遠機関に見えた成長の転機は、2013年5月だった。時の米FRBバーナンキ議長が金融緩和からの脱却を示唆した途端、米金利は高騰、資金は逆流を開始した。バーストした米ドル高に、新興国は改めて自分たちの寄って立つ地盤の危うさを思い知らされた。逆風はなおも続く。2014年末には、オイルやメタルといったコモディティ価格が暴落、ラ米や中東・ロシアやアフリカ諸国といった資源国の輸出を痛めつけた。盤石だと思われたアジア諸国も、2015年8月の人民元切り下げショックを喰らい、中国という大樹の脆さを体感することとなった。
とはいえ2016年の中盤まで、この「ドル高・資源安・人民元安」という3つの逆風は、やや収まったように見えた。象徴的なのはBrexitだ。あれはショックではあったものの、であったからこそ先進国早期利上げの思惑を遠ざけ、グローバルに長期金利を低下させた。新興国から足を半歩踏み出していた投資家たちも、ゼロ金利という出口の無い迷宮に恐れをなし、それ以上の資金を新興国に再シフトせざるを得なかった。新興国には薄日が差した、ように見えた。
しかし世の中はそんなに甘いものではなかった。米国大統領選挙でのトランプ候補の勝利だ。彼は共和党員であるにもかかわらず、財政拡張に前向きである。日本とは違い国内にカネが無い米国の財政拡張は、即米債需給の悪化と金利上昇、そして米ドル買いへと結び付く。この資金の米国回帰は、低金利の恩恵を受けた国ほど、バックラッシュがきつい。要は人の褌で相撲を取ってはいけない、という一言につきる。
12月に入っても、新興国からの資金流出が止まらない。通常のショック時とは違い、ボラティリティは上昇していないし、キャッシュ金利は高騰していないし、クレジットスプレッドもワイドニングしていない。しかし市場に緊張感がないからこそ、サラサラと砂時計の砂のように零れる資金流出は、僕の眼には不安げに映る。もちろん、トランプ候補が現時点で計画しているあらゆるインフラ等の投資が、そのまま直ぐに全額実行に移されるわけではない。次第にその全容が明らかになっていくにつれ、債券売りが行き過ぎたものだと、市場関係者たちが気づく時が来るだろう。しかしそれはそれで現状、主に株式市場に織り込まれている米経済成長のスピード鈍化を意味し、新興国の輸出には下押し圧力となる。つまりトランプ候補の計画がうまくいっても、うまくいかなくても、新興国には茨の道なのだ。
一方日本は、降って沸いたようなドル円の上昇と日経平均株価の持ち直しの恩恵に浴している。しかし残念ながら我が国の中央銀行は、金融緩和と資産購入という、外堀も内堀も埋め立てられた状態にある。利下げと流動性供給という些少なりとも武器を手にしている新興国に比し、日本は丸裸で世界の荒波の只中に立ち竦んでいることを忘れてはなるまい。
そして2016年末、SMAPは解散を発表、華々しい花火を打ち上げることなく表舞台から消え去ろうとしている。彼らが踊ったマリーナベイサンズの前では、卒業式シーズンに「職をください」というプラカードを掲げて、卒業写真を撮るのが流行ってしまった。コンテナ取扱量も、不動産市況も低迷し、シンガポールの屋台骨である金融セクターにはレイオフの嵐が吹き荒れているからだ。
数えてみると、リーマンショックの始まりであるパリバショックから、今年は10年。そして悪夢のアジア通貨危機からは20年が経つ。そういう符牒で市場を語るのは好きではないのだが、2017年が不気味な夜明けで始まろうとしていることだけは、間違いない。

2016年末日、マラッカ海峡を望みながら。

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2016年10月29日

ドイツとシンガポールとクレーンと

商社に勤めていた僕の親父が、仕事の都合で西ドイツの港街ハンブルクに渡ったのは、30代前半の頃だった。まだ会社には支社もなく、親父はまずは半年、業務を立ち上げる前にドイツ語学校へ通った。そこには一人だけ30代のアジア人がいて、10代20代の南欧やトルコの若者に交じって、ドイツ語を学んでいた。彼はシンガポール人で、年の頃が近かった親父とすぐに仲良くなった。
彼はシンガポール政府から派遣されてきた港湾クレーン技術者で、神戸とハンブルクとを迷った挙句、ハンブルクで最新の技術を学ぶため留学してきたのであった。1970年代前半のシンガポールなぞ、マレーシアから追い出されるように独立した後で、技術者の留学費用を工面するのも大変だったろう。彼はその後、港湾運営会社PSAにてシンガポールの港湾クレーンの立ち上げに尽力したが、若くして病に倒れた。
そのシンガポールの、コンテナ埠頭を見下ろす場所に僕は住んで、この文章を書いている。シンガポールが学ぼうとしていた日本は今やなく、むしろシンガポールに学ぶ位置にいる。この街にやって来て、丸6年が過ぎた。彼の息子は現在、シンガポールでドイツ車などを売るディーラーをやっている。親父と彼と、その息子たちの、日本とシンガポールとドイツとの関係は、この40年で大きく変わった。そして、今後も僕たちの想像を超えて変わっていくのだろう。巨大な港湾クレーンは、その時、何処で唸りをあげているのだろうか?
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2016年07月21日

今朝のViet Nam News紙記事「VIB、2016年上半期、記録的好業績」より。

本日のビジネス欄一面は、ベトナム国際銀行(VIB)の2016年上半期収益が7%伸びたとのニュース。しかし預金・融資も7.4%ずつ伸びているのでどうなのか、と。とはいえ、2015年末→2016年3月末→6月末と、不良債権が2.07→2.05→1.84%と低下しているのは良いこと。(もしかして、差し押さえ不動産の担保価値が上がっただけかもしれないけど)国の経済規模が拡大すれば、総花的に融資を行う銀行は、総じてこうやって業績が拡大するものなのかもしれない。面白いのはオンライン商品販売(投信とかのことか?)が、半年で140%伸びているとのコメント。国民の銀行口座保有率が2〜3割、クレジットカード保有率が3%といわれるこの国でも、スマホは確実に人々の生活を変えつつある。
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今朝のViet Nam News紙記事「ベトナムの中期経済見通しは明るい」より。

本日の朝刊一面は、昨日発表された世界銀行のベトナム経済レポートの引用。世界銀行は2016年上半期のベトナムGDP成長率が、農業部門の不振と工業部分の減速で5.5%(2015年同期6.3%)とやや鈍化しているが、中期的には問題なかろうとの判断。上半期融資量が18%も伸びているのに、インフレが加速しないのは、ひとえに原油安の恩恵。心配されているのはGDPの65%でキャップされているにもかかわらず、62.2%にまで達してしまったベトナムの政府債務。世界銀行のエコノミストは「政府債務を中期的に減らし、インフラ投資に振り向けなければならない」とコメントしているが、それができるんだったら誰も苦労していない。
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2016年05月19日

今朝のViet Nam News紙ビジネス欄より。

政府系シンクタンクの幹部が、経済下支えと成長加速のため、ベトナム中央銀行が更なる利下げを行うと「信じる」というニュースが1面。その背景は、昨年対比落ち着いている為替相場と低インフレ。GDP成長率6.5〜7.0%を達成するためにはクレジット(≒融資)を16〜18%拡大しなければならん、とのこと。まあおそらく日本と違って利下げが経済活性化に繋がる点はうらやましい限りだが、もちろんそのリスクはバブルと不良債権増大である。
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2016年02月07日

今朝のMalaya Business Insight紙2面より。

フィリピンフランチャイズ協会(PSA)は2016年、好調な経済成長を主因に、業界が30%の成長を遂げるだろうと予測。業界はここ4年、毎年20〜25%成長してきたが、ジュースバーFruit Magicのエスカローラ社長は「選挙年である今年は、より高い30%の成長を見込む」と鼻息荒い。またPFAのフランクリン・ゴー会長はフィリピンブランドが海外、とりわけASEANと中東に進出するだろうと指摘。例えばマックスグループのPancake Houseは、今後5年で中東に10店舗オープンするため、今般UAEのパートナー会社と提携を結んだ。国内に目を向けても、フランチャイズチェーンは(マニラ特別市のあるルソン島中心部のみならず)、セブ島・ダバオ・南北ルソン・北ミンダナオに拡大している。1995年にPFAが設立された際、フランチャイズチェーンは50に過ぎなかったが、現在その数は1,300を数え、その69%がナショナルブランドである。そしてその数は毎年、平均して60ずつ増え続けている。
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