果たしてそうだと言えるのだろうか?日銀は実際資産買入れ基金を増額しているし、金利も0〜0.1%に低め誘導したままである。対してアメリカの誘導金利は0〜0.25%、FEDが米国債を買い入れているとはいえ、日米の長期金利の差はまだまだ10年で1.5%近くある。(金利が低いということは、それだけ日本国債が買われているということを意味する)つまり数字から見たら、日本の方が金融緩和を行っている。
これはやはり供給サイドの問題ではなく、明らかに需要サイドの問題であろう。借金してまで将来に賭けようとする民間・個人のスピリッツがなければ、いくらマネーを供給したところで、結局そのマネーは安全資産である国債に還流し、非効率と揶揄される公的セクターの強制需要で消化するしかない。
成長著しいアジア地域に身を置いて感じることは、月賦やローンでモノを買う意欲の強さである。入社してからデフレしか経験していない身としては、なんとも破廉恥な消費行動としか見えないのだが、インフレの国では今日の100円が来年の100円である保証はない。だとしたら今、カネをモノにしておくしかない。その行動が借入意欲を通じて金利を高止まりさせ、将来の期待インフレを上昇させる。
アメリカという国は先進国の中では珍しく、そうした新興国の需要を内在化することにより、高いインフレ率と若い成長力を手にしてきた。それでも金利が高騰しなかったのは、基軸通貨ドルへの信認と、世界の軍事・経済・金融システムのヘゲモニーを握ってきたからに他ならない。いくら借金証書である米国債を発行しても、それは最高級の格付けのお墨付きにより、ドル紙幣と同義とされていたのだ。しかし、現在その盤石だった基盤も、少しずつ裸の王様になりつつある。唯一の救いは、世界にもう一人の王様が見当たらないことだが、独りの絶対的王様が必要なのかという論議に、近くなるだろう。QEによる商品市況高騰により、アメリカ経済を支えてきた家計はその購買力を低下させている。デフレ=悪と一方的に決めつけるのも非なれば、インフレ=善とするのもまた非であろう。長期金利高騰によるスタグフレーションが米国を脅かしている以上、誰がアメリカを勝者と言えるだろうか?



A:いいえ、勘違いでもなんでもなく、おっしゃる通りだと思います。金融という供給サイドで有効な手立てが見当たらない今、需要サイドを喚起する政策が必要なのですが、@公共事業削減、A増税予告と内需を減少させる方向に舵を切りながら、B移民・労働者受け入れなど新興国の需要を内在化する政策をなんら打ち出せていない点が問題です。その点シンガポールは1.2と日本(1.4)よりも低い出生率ながら、日本よりはるかに高いGDP成長率を誇るのは、周辺新興国の需要を内在化しているからです。日本には隣に中国という、タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナムを足しても全くかなわないうえ、毎年8−9%で成長する怪物がいます。島国だから無理、なんていうのは言い訳に過ぎません。(シンガポールだって島国です!)
もちろん政府だけに頼るのではなく、私たち日本人も海外で仕事をするべく打って出なくてはいけないでしょう。でもやっぱり1億人のマーケットは大きくて、たとえば音楽業界とかは頑張ればミリオンセラーが出せます。しかし韓国は人口から国内マーケットだけではおいそれとミリオンを出せないので、外に打って出る(ひきこもることができず、外に出ざるを得ない)わけです。