先週、私は再度インドネシアに出張してきました。昨年日本では震災があり、タイでは洪水があり、中国では人件費が高騰し、そういう意味でインドネシアは、現在日系企業が進出先として最も注目している国であります。またリーマンショック以降、様々な国家・銀行が格下げの嵐に見舞われる中、欧米格付け機関が相次いで格上げを発表するなど、世界中から熱い視線が注がれている国でもあります。他のアジア諸国と比べても豊富な天然資源、なにより中間所得層が育ってきている2億4千万人という大きな人口がその強みです。
今回、私は訪問先の関係で、ジャカルタの西方にも足を伸ばしました。いつもはジャカルタ市内と、有名な東部工業団地との往復で終ってしまうので、どれだけ他の地域が発展しているのか、この目で見る貴重な体験でした。空港から高速道路に乗り、いつもとは反対の方向へと向かいます。そしてしばらく走ると、車は一般道へと降りました。道は片側2車線あることにはあるのですが、外側1車線は舗装が剥げ、かなり揺れる悪路です。しかし目を上げると、道の両側に広がる光景は、まさに驚くべきものでした。すさまじい数のマンションやショッピングセンターが、そこここで建設されています。それも低層の赤レンガ屋根や、コロニアル様式のショップハウスといった古いタイプの建物ではなく、西洋風の大規模高層マンションや、私たちが日本で目にするのと同じ巨大ショッピングセンターなのです。そのため道は、トラックやその他資材を運ぶ輸送機器で、大渋滞となっています。その需要があるからでしょうか、ガソリンスタンドも給油待ちの車やバイクで長蛇の列でした。
工事現場を詳細に見ていくと、恐ろしい点が見つかりました。本来、建物を建てる時には、その外側に金属製の、イントレとも呼ばれるしっかりとした作業足場を組みます。しかしいくつかの工事現場では、なんと竹の足場で作業が行われていました。どう考えてもそれは危険だと思うのですが、恐らく建築ラッシュが激しすぎて、絶えず資材が不足している状態なのでしょう。私たちが名も知らぬ一近郊都市でもこの急速な開発、ただ首都だけを見ていても実態はまるで掴めないものだと、強く実感させられた訪問でした。


